医療トピック

禁煙で健康的に過ごそう

なぜ禁煙は進まないのか?

年々社会的な締め付けが強くなるのが喫煙習慣ですが、にも関わらずなかなか禁煙が進まないという人も多く見かけられます。
厚生労働省のタバコに関する調査では、成人喫煙率は全体で19.3%、男性32.2%、女性8.2%となっています。(平成26年時点)

これは過去10年の間に徐々に低下する傾向にあり、最も喫煙率が高かった男性30~39歳で見ると平成元年時点では65.4%であったところ平成26年には44.3%にまで低下しています。

女性の場合平成16年頃までにかけて一時的に増加傾向が見られていたのですが、現在では減少傾向に転じ最も高い30~39歳でも14.2%にとどまっています。

タバコに関しては度重なる増税により大幅に値上げされていたり、飲食店を含む屋内の施設では基本禁煙、屋外の喫煙所も撤去されているといったことが行われています。

喫煙者の中には「できればやめたい」と思っている人もかなりいるようですが、自分の力だけではやめられないというのが実情のようです。

それまでタバコを吸う習慣があった人が急に禁煙しようとしたときに現れるのが「離脱症状」というものです。
タバコの中にはニコチンという中毒性の強い物質が含まれているため、それまで摂取してきたものが入って来なくなることにより体調に変化が出てきます。

タバコの離脱症状としては「イライラする」「集中力がなくなる」「頭痛がする」「だるい」といったようなものが挙げられます。
この症状は禁煙後1日めから現れ、3日めにピークを迎えます。
しかし1週間くらいで収まってきて2~3週間で完全になくなります。
禁煙に失敗する人の多くがこの3日めからの激しい離脱症状に耐えられず、思わず再びタバコに火を付けてしまうのです。

禁煙をして太ってしまう人とは

禁煙が進まないもう一つの理由が「禁煙後太った」という人が多いことです。
女性は特に禁煙をしたいけれどもそれで体重が増加するのは困ると考えていることがよくあります。

確かに禁煙には成功したけれども以前よりも10kg以上太ってしまったという人の話は珍しくなく、多くの人が禁煙後のダイエットに苦労をしています。

なぜ禁煙をすると太ってしまうかというとそれはまず禁煙により体の栄養吸収率が高くなってしまうことが挙げられます。
研究では喫煙中と禁煙後で体質を比較したところ、腸内で消化と栄養吸収を行う細菌が増加することがわかっています。
そのため喫煙中と同じ食生活をしていても、栄養が体内に残るので太りやすくなってしまうのです。

禁煙をすることで胃腸の働きがよくなり食べ物の味が感じやすくなるので、食事がおいしく感じられてしまうということも原因です。