研究者コラム

薬ができるまでの流れ

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薬ができるまでの長い道のり

人の生活にとても役立ってくれるものの一つに医薬品があります。
いわゆる薬ですが、薬ができるまでには長い年月がかかっています。
人の命に関わる恐れもあるので、十分な研究とテストが繰り返された後に販売されるのです。

ここではどのように薬ができているのかをご紹介します。
薬についてより深く知ることで、日々の生活に役立てていきましょう。

薬ができるまでをご紹介

薬ができるまでには、まずは基礎研究が行われます。
新しい物質を見つけたり、その物質がどのように働くのかということを研究します。
新薬の開発にはこのステップが重視されます。
新しい効果を持つ薬の開発には、新しい物質を見つけることが必要不可欠です。

基礎研究は多くの場合2年から3年ほどの期間をかけて行なわれます。
製薬メーカーは大きな企業が多いですが、こうした企業では複数の医薬品の開発を同時並行で行なっています。

こうして新しい物質を見つけたら、次の非臨床試験という試験に移ります。
薬物薬理試験や安全性の試験が行なわれ、その物質が本当に薬として使用できるかをテストしていきます。
これには3年から5年ほどの年月をかけることが多く、比較的長い期間が費やされます。

非臨床試験が終わったら、次に臨床試験を行ないます。
まずはマウスを使って薬の効果をテストし、薬としての効果が実際にあるのかどうかをテストします。
また、マウスでの十分なテストが終わったら、人体でのテストも行ないます。
治験と呼ばれており、治験センターと呼ばれる施設で行なわれます。
期間としては3年から7年ほどの年月が必要になります。

こうして最終的にテストが終わったら、最後に医薬品としての申請と審査が行なわれます。
1年から2年ほどかかることが多いです。
こうして認可が下りたら、医薬品の販売開始になります。

医薬品の販売までには膨大な時間がかかる

このように、医薬品が開発されて販売まで至るにはとても長い年月がかかっています。
トータルで10年から15年ほどかかるのが一般的で、2015年に販売が開始される医薬品は、実は2000年頃に基礎研究が行われていた成分なのです。

このように時間がかかるのはじれったい気もしますが、やはり人の体に大きな影響を与えるものなので、慎重に研究を行なう必要があります。
医薬品はこのようにできていることを知ると、普段何気なく飲んでいる医薬品も、また違った視点で考えることができるようになるはずです。
1粒の小さな医薬品ができるようになるまでには、このように膨大な研究が行われており、小さな粒に治療のための成分だけでなく、研究の努力も詰まっているのです。
他の方に教えてあげるのもおすすめです。