研究者コラム

なぜジェネリック医薬品は安く作れるのか?

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ジェネリック医薬品が安い理由

医薬品業界にも変化が起きていますが、その中でも大きな流れになっているのがジェネリック医薬品というものです。
特許が切れた医薬品の開発を特許を取得していた以外の企業が行なっている医薬品のことを指します。

イメージとしては、レシピを作った本人が作った料理ではなく、そのレシピを元に他の方が作った料理のようなイメージです。
もちろん医薬品なので安全性や効果などのテストは厳密な基準をクリアしており、十分に安心して使えて効果のある薬となっています。

ジェネリック医薬品は正規の医薬品よりも低価格で販売されています。
とても安くなっているものも多く、病気の治療費が高いと感じている方にはとても助かるものになっています。
同じ効果を持つ医薬品なのに、ジェネリック医薬品がどうしてこんなに安いのか不思議に思う方もいると思います。
ここではその理由についてお伝えします。

開発費の分が安くなっている

通常、新薬の開発には膨大な研究開発費用が必要です。
一つの医薬品が研究され、テストが重ねられ、販売までこぎ着けるまでには、15年前後の時間と高い時には800億円、安くても200億円ほどの費用が必要になります。

医薬品メーカーはこうした費用をかけても利益につながるため、研究開発を行ないますが、ジェネリック医薬品は、こうした研究開発がすでに行なわれた後なので、開発費用をカットすることができるのです。
そのため、浮いた分を医薬品の販売価格に転嫁できることになり、大幅に販売価格を下げることができているのです。

ジェネリック医薬品が安いので不安があると感じている方もいますが、無理なコストダウンをしている訳ではなく、余分な開発費用がなくて良いので価格を下げられているだけなのです。
ジェネリック医薬品も、もちろん特許を開発した企業ではない企業が製造するため、きちんと製造できるかどうかのテストは綿密に行なわれます。
それでもテスト費用は1億円には届かず、5000万円ほどで抑えられるとされています。
800億円もの費用がかかる医薬品の開発費用と比べると、その差は雲泥の差と言えます。

こうした仕組みを知ると、ジェネリック医薬品もより使いやすくなるのではないでしょうか。
現状ジェネリック医薬品でも大きなトラブルになったという事例は出ておらず、一定の成功を挙げている例と言えます。

ジェネリック医薬品を活用しよう

このように、安くて安全なジェネリック医薬品は病気になった際の薬代を浮かすことができるので、積極的に利用することをおすすめします。
病院でジェネリックか正規品かどちらにするかを聞かれた際には、ジェネリック医薬品を選択するのもおすすめです。
十分に効果はあり、病気の治療に役立ってくれるので、ぜひ活用してみてほしいと思います。