ライフサイエンスの基礎知識

マンガンとは

三大栄養素の代謝を促進させるミネラル

マンガンは酵素の働きを活性化し、三大栄養素の代謝を助ける重要なミネラル成分です。
成人の場合、体内の含有量は12~20mg程度で、カルシウムやリンとともに骨の代謝を助けます。

体内の活性酸素を取り除くSOD(スーパーオキシドジスムターゼ)という酵素を構成していたり、尿素の合成に関わるといったように、体内における役割は非常に重要です。

注目なのが糖質や脂質といったものを代謝させる力があるということで、抗酸化作用と合わせてダイエット系サプリメントによく使用されています。

体に必要な含有量は、特に注意をしていなくても自然に食品の中から摂取することが可能です。
ほとんどの食材に含まれている成分であることから、よほどの偏食傾向がないかぎりは普段の食生活だけで十分な量となります。

特に植物性の食品の中に多く含まれているという特長があるので、野菜を主体にした食生活を送っていれば不足による体質の不調が起こることはありません。

酵素ダイエットにもよく使用されている成分ですが、過剰に摂取をしすぎると副作用からよくない影響が出てしまうこともあります。

鉱山で働いていた人たちが過度のマンガンの粉塵を長年吸引したことにより、肺炎や中枢神経障害が発症したという歴史もあるほどです。

マンガンを上手に摂取していく方法

マンガンが体から不足してしまうとまず疲れを感じやすくなり、平衡感覚が悪くなってきます。
さらに進むと糖尿病や骨粗鬆症になりやすくなるので、成長期では特に重点的に摂取するようにしたいところです。

マンガンを多く含む食品としては、小麦や大麦、玄米、大豆(加工食品を含む)、小豆、さつまいも、パイナップル、しじみ、牡蠣、ナッツ類などが挙げられます。

注目したいのが玄米で、これは近年ダイエット用食材としても多く使用されています。
玄米はぬかや胚芽、胚乳をそのまま食べるお米のことです。

ビタミンB1は精米の5倍以上で、その他にも鉄や食物繊維も豊富に含まれています。
体に必要となる栄養分の大半がそこから取れてしまうという画期的な食品であることから、ダイエット中で食事を制限している人が、少ない食事で効果的な食事をすることができます。

しかし玄米は精米と比べて歯ごたえがあり、慣れないと食べにくく感じてしまうかもしれません。
基本的な食べ方としては、ゴミを落とす程度にさっと2~3回くらいすすぎます。

それから精米よりも1.3倍くらい多めの水にひたしてそこに自然塩をひとつまみ置いて一晩そのまま置いておきましょう。

この一手間があることでかなり食べやすくなるので、健康のために玄米を食べようとする場合はそうした点に注意をしてみてください。

マンガンの一日あたりの摂取目安は、成人であれば3.5~4mg/日です。