ライフサイエンスの基礎知識

ビタミンDとは

カルシウムの代謝に力を発揮するビタミン

ビタミンDはビタミンAと同じく脂溶性の特長を持ったビタミンです。

ビタミンDにもD2とD3という2つの物質があることがわかっていますが、体内に入った時にそれほど大きな効果の差はないことから、概ねビタミンDという一つの名称として扱われています。

体内に吸収されたビタミンDは、特にカルシウムの代謝に非常に有用であり骨を丈夫にするためには絶対不可欠な栄養分です。

また血中のカルシウムの量を一定に保ってくれたり、体内の様々な部分での調節機能を担ってくれるので不足をするということはすぐに健康への悪影響へとつながります。

なおビタミンDは紫外線に皮膚があたることにより、皮下で生成されるという特長があります。
これは体内にあるプロビタミンDという物質が、紫外線にあたることでビタミンDに変化するということからくるもので、日光浴をすることが健康によいという話のもとになっていることです。

最近では紫外線にあたること=皮膚によくないことというふうに思われがちですが、本来的には日光にあたることはビタミンDを生成し、骨を丈夫に作り出すという役割があります。

子供の頃に極端に日光にあたらない生活をしてきた場合、骨軟化症といった成長を阻害する病気の原因になったりします。

ビタミンDは大人になってからももちろん生成されますので、高齢者が暗闇で引きこもりがちになることで骨粗鬆症が進行してしまうということも問題となっています。

過剰摂取を避けて食べたいビタミンDの含有食品

ビタミンDは非常に重要な栄養分ではあるのですが、食べ過ぎることで過剰な状態になってしまいます。

というのも最初に述べたようにビタミンDは脂溶性という特長があることから、食品やサプリメントで過剰に摂取をしてしまうと、尿に溶け出すことがなくそのまま体内に留まってしまうからです。

もっとも普段の食生活で過剰になるほどビタミンDをとるというのはそうそうできることではないので、サプリメントで「ビタミンD」を直接摂取するというのが過剰の主な原因になります。

よくないのは過剰になったビタミンDが慢性的に続いてしまうことで、そうなると体内にビタミンDが蓄積されてしまいカルシウムとうまく結び付けなくなってしまいます。

そのため血中のカルシウム濃度が高くなり、嘔吐や倦怠感といった症状になって出てきてしまいます。
悪い場合には臓器内にカルシウムが残留・沈着を起こし、腎機能障害や石灰化を起こしてしまうことがあります。

食事からビタミンDをとるなら、何と言っても含有量が圧倒的に多いキノコがおすすめです。

ビタミンDの一日あたりの摂取目安は、成人であれば5.5~6μgRAE/日とされています。